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なるほど世界に戦争は絶えない訳だ。個人でも、とどの詰りは腕力だ

以前チラッと書いていたように、青空文庫に載っている坊っちゃんを読んでいたのですが、ついに読み終えました。
せっかくなので少しばかり感想を書いておきますね。



坊っちゃん。そのタイトルと、教養を得るための代表作みたいな扱われ方から、主人公は品行方正な優男だろうとイメージしてました。でも読み始めて数分のうちに、イメージとは全く異なる姿に驚かされてしまいました。
この主人公、事あるごとに心の中で悪態をつくんですよね。
いや、でも確かに品行方正なのかもしれません。
たとえ自分に不利益なことでも、正しいと思うことは有言実行。しかし他人にはせいぜい悪態をつく程度で無理強いはしないのですから。

さて、この作品は1906年に発表されたようです。もう100年以上前の作品なのですね。
ですがその中で描かれている人間は今とたいして変わらないようです。
・噂好きでよそ者に好奇の目を向ける世間。
・礼儀をわきまえず、すぐに行き過ぎた行動をとる子供達。
・学校で問題が発生しても体面を気にして生徒にへりくだろうとする教師。
・親切に振舞いながらも裏では邪魔者を排除しようとする人間。
その他およそ現代で問題視される類の人間はだいたい出揃ってるんじゃないでしょうか。
「最近の若い者は」と嘆かれたり、「戦後教育が云々」と原因を求めたりしてるけど、実は100年以上昔からある問題なのかも知れません。
ただ当時は辺境の田舎を舞台にしていることから考えて、おそらく”目に付く”程度だったんじゃないかと思います。現代では田舎でも都会でも関係なく”目に余る”程です。
結局この100年、人間の類は変わらないけどそういう人間の割合が増えていったということか、と読んでいて感じました。

主人公は「田舎育ちで学がないからそんな人間になるのだ」と考えてるようです。
それはある意味正しい洞察だと思います。
やっぱり教育によって人格は形成されてゆくんだろうから。

総括すると、今の世にも通ずる色々な人間模様を、短いエピソードでまとめ上げているのはさすがだと思います。
ですがもしこの作品が今まで存在せず、今年の直木賞やら芥川賞やらを受賞した誰かの作品として世に出たものなら、正直なところ自分では同じ感想を抱けなかったでしょう。
100年前の作品だから。そう思って過去を紐解く参考資料として読んでみると大変読み易く、そして魅力的な作品なのだと感じます。
小説に対してそういう読み方が正しいかどうか分かりませんけどね。

ところで今回のタイトルは、この作品を読んで一番印象に残った言葉です。
いつの世も結局この考えに辿り着き、そしてその先に新たな答えを見出せません。本当に無いのかもしれませんね。

あと、ついでのように語られる清との後日談にしんみりして、このお話を読み終えました。
読後感の良い作品だと思います。

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